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伝統建築の素晴らしさと、住まいの性能を両立させる古民家リノベーション

Works

古民家改修

伝統建築の素晴らしさと、住まいの性能を両立させる古民家リノベーション

歴史的建造物をリフォーム

松江市の北東、樹齢三百年のしだれ桜で有名な「千手院」の隣に佇む市登録歴史的建造に指定された住宅。明治時代に建築され、伝統的な町屋の面影を今日に残すことから、松江市の歴史的建造物に登録されています。この貴重な住宅の修繕リフォームを承りました。
歴史的建造物のため修繕設計は安来市の「飴屋工房」、住居のリフォーム設計は松江市の「コクーン設計舎」とプロジェクトを組み、万全を尽くしました。
住宅は主屋、塀、土蔵からなっています。主屋外観は風情あふれる「平格子」を残し、最小限の修繕にとどめました。主屋の奥にある住居は、使い勝手のよいLDKにリフォーム。また、塀は来待石の棟石を特注し、漆喰を塗り替えました。
工事のため解体してみると、既存の設計図と寸法が違うなど、多くの苦戦を強いられました。しかし妥協することなく、LDKに用いた六寸角の大黒柱は、納得のいくものが納品されるまで、数回取り替えを行うなど、誠実で丁寧な工事を心がけました。
「解体が進むなか町屋の構造を学ぶことができ、歴史に興味が湧きました。これから、この家で過ごすのが楽しみです」と施主様。幼い頃に遊んだ家が蘇り、安全かつ快適に暮らせるようになって大変よろこばれています。

Nice and Comfortable Life

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古い町屋を修繕地フォーム

念入りに床下を総点検 美しくよみがえった旧家

老朽化により非常に深刻だったシロアリ被害。
床下のたわみ、柱や梁のひび割れなどを丁寧に点検し、現存維持するために必要な処理を施しました。

心地よい光と風を感じる1階の和室。中庭の風景が日本画のようです。
階段下を有効活用した箱階段。側面が収納になっており、近世の町屋でよく使われていました。

主屋は木造二階建、明治中〜後期の建築と考えられています。昭和7年に南側平屋を取得し、一体の建物に改修されました。松江市登録の歴史的建造物であることから、可能な限り現存の姿を残す修繕設計を立てました。工事は、実際の住居として荷物があるため、生活に不便が出ないよう工区分けをして、順番に進めていきました。
一つひとつ残せるか確認しながら丁寧に解体。専門知識に長けた飴屋工房の建築士に指示をいただき、必要に応じて予算に無理のない補修を施しました。特に床はたわみが随所にあり、シロアリの被害が深刻でした。先代当主が大切にされていた本棚の下は畳の食害もみられ、地震になれば倒れる危険性も。安全性を徹底的に高めるため、入念に住宅検査を実施し、床下や梁、基礎の修繕を丹念に積み重ねていきました。
旧家らしく意匠に凝った建具や家具もみられました。二階につながる階段は、側面に収納戸棚のある「箱階段」。目立たないよう補強を行い、受け継いでいます。今では貴重な建具もできるだけ直し、再利用しています。
「これまでは感じなかったのに、今までは座敷にいると安心するんですよ」と語る施主様。畳も新しくなった和室で、のんびりと過ごす時間を一番の楽しみにされています。

職人たちの巧妙な技 日本の建築文化を後世へ

修繕から見えてきた伝統建築のすばらしさ。
これからも、現代の日本に失われかけたものを繋いでいくお手伝いをしてまいります。

二階にある和室の縁側。奥に見える土蔵は漆喰を塗り替え、瓦を新しくしました。現在も、城などに施工される工法で修繕中です。
縁側の軒下を支える太い梁は、約5mある貴重な一本。ぜひ残したいもののひとつ。

製糸業を営んでいた旧家の綿貫家住宅では、かつての職人たちの技を随所に垣間みることができます。古畳を上げてみると、直径60㎝ほどある巨木を薄く切った一枚板を床下に使っている場所が出現。のこぎり一本で仕上げた、当時の大工仕事に感服させられました。古畳の下から、湿気予防に敷かれていた大正時代の新聞も発見され、過去に手入れがなされた年度を知る最適の資料となりました。
太く逞しい梁、細工に凝った建具、船底板の虫喰穴を透かし彫りに見立てた欄間など、まだまだ目を見張るものが多数現存しています。歴史的建築物を修繕して住むことは、世界に誇る日本の伝統的な建築文化を次世代へ受け継ぐことに他なりません。
二階の和室からは、千手院の桜を見ることができます。「ここに座って花見をしたい」と春を心待ちにされる施主様。風流を愛でる日本の美しい心も伝承されていきます。

歴史的建造物と住まいの性能を両立

暮らしの夢や生活習慣などをヒアリングしてLDK、洋室の寝室、和室の位置を塾考。
中庭まで視線が広がる空間を実現しました。

壁を取り払って、天井を高くした明るいLDK。生活動線をコンパクトにまとめ、家事が心地よくスムーズにできるよう配慮。
システムキッチンの背面に、壁一面の収納を設計。ガス式一升炊き炊飯器が収まる食器棚を探すのに苦戦。見事、収納!

生活の中心とされる住居部分は、コクーン設計舎のリフォーム設計により生まれ変わりました。同舎は歴史的建造物の保存や、まちづくりのアドバイスなどに熱心に取り組んでおられます。
LDKは、天井の解体時に大きな梁が出てきたことから2本を表に出す“見せる設計”をご提案。古民家のような落ち着いた住空間を演出しました。さらに天井高を上げ、緩やかなR天井にすることで、広々とした開放感をもたせています。
奥様の夢は快適なキッチン。「明るい空間にしたい」というご要望に添い、リビングだけに予定していた天窓をキッチンにも追加。曲面の天井に、はめ込み型の天窓を取り付けるのは高度の技が必要です。ここは職人の腕の見せどころ。寸分の隙もなく仕上がり、自然光が充分に差し込む、採光性の高いLDKが完成しました。 リビングを中心に寝室の洋室、和室、洗面室、収納部屋などを集約させることで、歴史的建造物の中に快適な生活空間を創り出しました。床は無垢フローリングにリフォーム。バリアフリー設計なので老後も安心して暮らすことができます。

Data

歴史建造物部修繕設計
飴屋工房 足立正智
住居部リフォーム設計
コクーン設計舎 坪倉菜水

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